【一からの伊勢物語】
短い歌だけど内包された修辞技法は3つに及んでんで忘れることをよけるために下記どおりにメモした。
句切れ:陸奥(みちのく)の しのぶもぢずり 誰(たれ)ゆゑに みだれそめにし?|われならなくに
修辞技法:比喩型序詞(乱れ模様に染まった「陸奥のしのぶもぢずり」という織物のようだと自分の乱れ心を喩える)、掛詞(1.しのぶ:信夫という地名·忍草(植物名。染料の材料)·「心の中に包み隠す」ことを意味する動詞「忍ぶ」;2.「...(v.連用)始める」と意味する接尾語「...(v.連用)そむ」·染(そ)む)、縁語(「しのぶもぢずり」と、その中の「しのぶ(忍草)」)と、「みだれ」と、「そめ」が掛けた「染む」)
現代語訳:乱れ模様に染まった陸奥の信夫もぢずりのように、いったい誰のせいで私の心は乱れはじめてしまったのだろうか?自分自身のせいではないのに。やはりそれは、人知れず心の中で思い慕っているあなたのためなのだなー。
ポイント:
★縁語の訳し方について、掛詞の裏の意味(自然や事物)が互いに縁語になっているケースが多く、縁語絡みの掛詞の場合、縁語を訳す必要はないとかいうコツを目にした覚えはあるけど、わたし的には、もし、人間の気持ちなど当該歌のモチーフを引き出すのにはっきりと役立つ場合ならば適宜に訳してもかまわないと思うのです。この歌の口語訳で、忍草は省き、「染む」を残しました。
ps:しのぶずり/しのぶもぢずり:信夫産の忍草などの植物の汁によって乱れ模様に染まった織物。
もぢずり/ぢずり:乱れ模様に染まった織物
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